以下にご紹介する各画像について
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ディスコグラフィー(レコードのラベル一覧)
レコード盤の中央、デッドワックスと呼ばれる無音部分の内側に貼られている紙の部分をラベルと呼ぶ。ラベルにはタイトル・歌手や作者のクレジットからレコード会社名・著作権表示など沢山の情報が詰まっていて、レコードの顔ともいえる場所である。そのため、プレーヤーのスピンドルがラベルを擦った線のような跡を「ヒゲ」と呼び、神経質なコレクターはこれを異常に嫌う傾向がある。
ラベルをつぶさに見ていくと、同じレコード会社内でも楽曲の扱いが違っていたり、デザインの変遷からレコード会社の沿革そのものを見ることができるなど、色々なことを繙くことができるのが面白い点のひとつである。
また、時系列で見ていくと最も興味深いのは、1970年5月6日改正・1971年1月1日施行の新著作権法に関わる著作権管理の移行とJASRACの存在、そしてレコード保護条約である。
レコード保護条約は海賊盤(bootleg)の防止を目的としており、正式名称は「許諾を得ないレコードの複製からのレコード製作者の保護に関する条約」という。ジュネーヴで作成されてから効力が発生するまでの時期と同期するようにマルPがあったりなかったりするのが興味深い。ちなみにこのレコード保護条約を日本が批准するのは1978年まで待たなければならない(作成1971/10/29、署名1972/4/21、発効1973/4/18)。
ベルヌ条約、万国著作権条約、レコード保護条約、マルC、マルP、方式主義、無方式主義など、著作権に関することについては文化庁のウェブサイト内にあるページがわかりやすいのでご参考までに。
→著作権なるほど質問箱/トピックス
当時の日本では資本の自由化が完全でなく単独外資のレコード会社の設立が不可能だったため、パイオニアと渡辺プロダクションと共同出資する形で設立されたワーナー・ブラザーズ・パイオニア(以後ワーナー・パイオニアと呼称する)であるが、そのような過渡期に設立されたワーナー・パイオニアの初期作品のラベルの上の小さな表示の変遷を見るだけでも、音楽産業が華やかだった時代の背景にあるリアルな歴史を実感することができると思う。
田辺エイ子時代のレコード
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レコードのラベル部分に当たる印刷部分を掲載した。
JASRACのほかにBIEMなどの海外の著作権団体の表示が見られる。現在のようなロゴではなくシンプルな囲み文字によるもの。FOLSTER、YMPについては詳細が判っていない。
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たてぶえ吹いたら/ぼくの子守唄
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著作権に関する表示は、裏ジャケ・ラベル共に万国著作権条約に基づくマルC表示。
キングレコード在籍時のシングル
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BS-7000番台の型番は洋楽カバーなどのポピュラー音楽を含むシングルに割り振られた。
1964年3月、全作品のステレオ化に伴いこのラベル・デザインを使用したBS型番が誕生した。BS-7000番台の作品のラベルが当初の赤地銀字から本作の青地銀字のラベルに切り替わるのは、1966年1月20日発売のBS-7131番(岸洋子「ボン・ソワール・モン・アムール」)から。
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前作同様オリジナル曲の面には囲み文字によるJASRACの表示。同じメンバーによる次作B面「恋のアングル」には表示がなく、JASRACに著作権を信託しない管理楽曲との境目が不明である。
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両面オリジナルの邦楽曲ということでBS-1番から始まる歌謡曲型番が割り振られ、BS型番初期から使われている赤地に銀字のラベルになっている。
見本盤ではコーラス・ユニットの名前がイエ・イエ・イエーズになっている。
2015年11月、キングレコード発売・クリンクレコード販売という形で復刻盤がリリースされた。
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BS-800番辺り(1968年3月頃)から使用された、サンセリフ・フォントのKING RECORDロゴを使用したラベル・デザイン。このデザインはBS型番が終了した1975年以降も使われた。
キングレコードでは主に子供向けに発売された作品の型番の後に(H)を付けており、これは物品税非課税の商品であることを表している。
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キングレコードの洋楽部門であるLONDONレーベルに移籍。テリーズ(バニーズの弟分)、ムスタング、ザ・フィンガーズなどのGSバンドのほか、鹿内タカシ(現・鹿内孝)やジャズ歌手の笠井紀美子やガールズ・グループのキューティ・Qなどが在籍した。
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「見本品」の押印がある通常盤ラベルの画像は、恋と女とむせび泣き(twitter@IMJIN_RIVER)様より提供していただきました。
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ワーナー・パイオニア在籍時のシングル
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社名がワーナーブラザーズ・パイオニア株式会社のためWARNER BROS PIONEERの表記。見本盤ではWARNER BROS.-PIONEERと表記、ピリオドとハイフンがついている。
見本盤には米国WB社のライセンス表記が無い。ワーナー・パイオニア設立初期の作品の見本盤は青ラベルに銀字で、製品盤のタン色と見本盤の青色はほぼ補色の関係にある。
ペラジャケにはマルC表示。よく見る©西暦ではなく、©西暦下2桁に月という特殊な表示になっている。
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同じ型番L-1069Rでも時期により社名表記が異なる。WARNER BROS PIONEER(初期盤)、WARNER-PIONEER(米国WB社のライセンス表記あり)、WARNER-PIONEER(米国WB社のライセンス表記なし)の3パターンを確認している。
「恋のライセンス」と同様見本盤ではWARNER BROS.-PIONEERの表記。
本作から「見捨てられた子のように」まではレコード保護条約に基づくマルP表示がされている。
1976年11月に型番が変更になるが、スタンパー型番と著作権表示が従来のままになっている。
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ワーナー・パイオニア株式会社への社名変更に伴って、本作以降はWARNER-PIONEERと表記される。青ラベルによる見本盤はこの作品まで。
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このシングルから米国ワーナー・ブラザーズのライセンス表記が無くなった。それに伴ってか、PマークやJASRACのロゴなど著作権に関する記載が一切ない。裏ジャケでは通常なら発売元の左側に表示されている「(P)年.月」の部分が急遽削除されたような感じになっている。
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このシングルから製品盤・見本盤ともにJASRACのロゴが表示されるようになった。
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このシングルから歌手名・朱里エイコの部分の文字詰めが変更された(単発だが「ジェット最終便」もベタ組み)。同時にラベルの地の色やリプリーズのロゴの色が鮮やかな色に変更された。
2019年11月にレコードの日限定盤としてHMV record shopから「愛のめざめ」と共に再発売された。
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ワーナー・ブラザーズ・レーベルでの発売のため、通称・バーバンク(パームツリー)と呼ばれるラベル・デザインになっている。
2019年11月に発売された再発盤のラベルはクリーム地に罫線の入ったデザイン(上記のデザインの後継で1978~1986年に使用された)。
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目録に掲載されていない作品。ラベルに発売日が押印された見本盤(※ギャラリー内に画像あり)から発売日が判明した。
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このシングルからタイトルのローマ字併記がなくなった。見本盤には発売日が併記されている。
後期のシングル
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残念ながら製品盤のほうがレア度が高い。
ちあきの部屋の管理人・ウシオ様に製品盤のラベル画像を提供していただきました。
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唯一のCDシングル。ラベルに相当するプリント部分を掲載した。
ワーナー・パイオニア在籍時のアルバム
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アルバムではトレード・マークの蒸気船に喫水線が描かれている。
アルバムの見本盤のみ、リプリーズのロゴの脇に登録商標を示すRマークを表示している。
WARNER BROS.-PIONEER(ピリオド・ハイフン付き)、WARNER-PIONEER(米国WB社のライセンス表示あり)、WARNER-PIONEER(ライセンス表示なし)の3パターンの社名表記。
原則として洋楽曲のタイトルは邦題に原題が併記される。邦楽曲についてはシングルに見られるローマ字併記は省略されている。
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7inch・33回転のミニ・アルバムではシングル同様トレード・マークに喫水線が描かれていない。
シングル同様日本語タイトルのローマ字表記が併記されている。
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同日発売のミニアルバム(DELUXE4)はWARNER-PIONEER、本作ではWARNER BROS.-PIONEERの旧社名表記。
ワーナー・パイオニア在籍時に発売した数ある作品の中で、本作とファースト・アルバム「これから始まるなにか」のみ歌手名が明朝体で表示されている。
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同時発売のボックス2作品(小柳ルミ子・朱里エイコ)から付録の7インチ盤のA面同士をカップリングした上記の見本盤に対して、B面同士のカップリング盤の存在は確認できていない。
2枚目のみにJASRACの表示があるという興味深い状況になっている。同時発売の小柳ルミ子のボックスでは2枚ともマルPとJASRACが併記されている。
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このアルバムから正式に(?)マルPとJASRACの併記が始まる。シングルでJASRACの表示が始まるのは「あなたの勝ちだわ」以降のこと(アルバムと違って併記されない)。
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本作からJASRACの表示がシンプルな文字からデザイン・ロゴに変更された。
見本盤では演奏の表記が「ワーナー・ビートニックス+ストリングス」になっている。
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この作品から米国ワーナー・ブラザーズのライセンス表示がなくなった。著作権表示の迷走(?)とは違い、これについてはシングルとアルバムで足並みが揃っている。
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シングル「明日への願い」とこの作品は見本盤の流通が圧倒的に多く、通常盤は珍しい。
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1972年の下半期頃から始まったマルPとJASRACの併記だが、この作品のラベルからマルPの表示がなくなった(ジャケットでは前作までと同様にマルP表示がされている)。
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従来とは異なり、洋楽曲のタイトル表記が原題を基に邦題を併記という形を採っている。以降のアルバムも同様。
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「朱 里 エイコ」や「朱 里 エ イ コ」や「朱 里 エ イ コ」などと、まちまちだった下部の歌手名部分の文字間がこのアルバムから無くなりベタ組みになった。
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「ジョーのダイヤモンド」のアレンジャーが馬飼野康二と誤記されている。製品版・見本盤ともに「ジヨーのダイヤモンド」と何故か拗音を用いた表記がなされていない。
見本盤には発売日が印刷されている。
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Paul Ankaの姓が1箇所誤植、Marco Brunoは姓名共に誤って表記されている。
このアルバムの見本盤からSTEREOと非売品の表記方法が左右から上下に変更された。
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