コンサートのチラシ
1980年、レコード会社をワーナー・パイオニアからRCAに移籍。1981年1月8日にはRCA移籍後初のコンサート「EIKO SHURI '81 JUMP UP CONCERT」が東京・芝の郵便貯金ホールで開かれている。その後、RCA第1弾として発売されたシングルだ。
この移籍はマスコミ等で特に話題に上ることはなく、記者会見も開かれなかった。
歌手として忘れられてしまうことへの不安や焦り、創価学会との不和、離婚後の不安定な私生活から、以前にまして奇行に走っていった朱里エイコ。これらの面がマスコミの格好の餌食となってしまい、さらに精神を病むといった悪循環に陥っていくこととなった。
口笛の音とそれに似たシンセサイザーの音色が物悲しさを感じさせる。マイナー調が大好きな人にオススメな曲だ。
ワーナー・パイオニア時代に発売した「めぐり逢い」と構成が似ていて、サビがなく、2つのメロディーが楽器やコーラスを増やして盛り上がっていくといったもの。1番ごとに転調を重ねていくのが特徴。
――愛は出逢いと 別離の間の まわり道に 咲く花よ
心を締め付けられるような歌詞である。
この歌詞を作詞した片桐和子は、朱里エイコが2度目の渡米から帰国してワーナー・パイオニアから出した第1弾のシングル「恋のライセンス/ミスター・スマイル」の歌詞を担当した作詞家である。
意図的か偶然か、RCAに移籍して新たな門出を迎えた彼女にとって意味のある起用に思える。
何かしらの企画がない限りデジタル・リマスター化されて世に出ることはないであろう楽曲だが、これぞ隠れた名曲といえるのではないだろうか。
タイトルと歌詞の通り応援歌的な作品となっているが、作詞家・片桐和子の朱里エイコに向けられた応援歌的メッセージソングと取ることができるかもしれない。もちろんこれは推測に過ぎない。
鷺巣詩郎は、80年代アイドルの楽曲を多数作曲、「笑っていいとも!」のテーマ曲や、アニメ作品では特に庵野秀明の『不思議の海のナディア』『新世紀エヴァンゲリオン』が有名。現在も第一線で活躍するアーティストで、朱里エイコへの楽曲提供はこの1作のみ。
この音源について。
このレコードは国会図書館の新館1階にある音楽・映像資料室で聴くことができます。資料の利用には許可申請が必要です。