※ラベル画像提供、ちあきの部屋の管理人・ウシオ様
1982~1984年頃、度々仕事をすっぽかしていた朱里エイコ。それでもその度に、彼女の実力を買っていた支持者によって歌う機会を与えられてきた。1984年には赤坂コルドンブルーのショーで穴をあけ、完全に歌手としての信用を失い休養。その後渡米したということだ。
この辺からの足取りはほとんど情報がないが、ともかく1987年にポリドールから出した両面カバーのシングルがこれだ。新譜の発売は実に6年ぶりのこととなった。
この頃は、元夫・渥美隆郎氏が主宰するワールド・マネージメントに所属していた。
同じ1987年7月に発売された雑誌「PENTHOUSE」(右写真)には、月に1回六本木でライブ活動をしているほか、身体障害者施設や老人ホームでのボランティア活動をしている等の近況が書かれている。
この記事はなんと言っても、小井戸秀宅氏がコーディネートをしていると言う点に注目したい。振付家かつ演出家であった彼は、朱里エイコの実力を殊の外買っていた人で、上記コルドンブルーのショーに彼女を使った人である。渥美氏らと共に、不遇の時期の彼女を見捨てずに支えていたのだろうか。
ポリドールの販売目録には記録がないため、発売日が確定してない。前述の雑誌では7月25日発売と書かれているが、手持ちの見本盤のラベル部分には8月25日と印刷されているので、ここでは見本盤を信用することにする。ちなみに翌年発行の販売目録には廃盤の記録が掲載されている。
1985年に、Whitney Houstonが歌って大ヒットした曲である。
オリジナルは、Marilyn McCoo and Billy Davis Jr.のサード・アルバム「Marilyn & Billy」(1978年)内に収録されていたもの。
Billy Davis, Jr.とMarilyn McCooの2人は、大ヒットした「Up, Up and Away(邦題:ビートでジャンプ)」や「Aquarius~Let The Sunshine In(邦題:輝く星座)」で有名なThe Fifth Demensionでリード・シンガーを務めていた。その後結婚してグループを脱退、夫婦デュオとして活動している。
1976年の大ヒット曲で、第19回グラミー賞ではR&B部門でベスト・パフォーマンス賞を受賞した「You Don't Have To Be A Star (To Be In My Show)(邦題:星空のふたり)」が有名。
元はモハメド・アリの伝記映画『The Greatest』(1977年)に書き下ろされたナンバーで、George Bensonが歌ったものである。
これも後にWhitney Houstonが歌って大ヒットした(1986年)。
両面のオリジナルを作曲したMichael Masserは、70~80年代のポップス界で大ヒットを数多く出している。上記2曲に加え、Diana Rossが歌った「Theme from Mahogany (Do You Know Where You're Going To)」は日本でもネスカフェのCMソングとして長い間放送されていたため、とても有名。他には「Nothing's Gonna Change My Love for You」(George Benson、Glenn Medeiros)などがよく知られている。
どちらの曲もJ.Latonioという人がアレンジを担当しているが、この人物についてはっきりした情報がない。
同じ1987年に同じポリドールから発売された、元プロ野球選手でタレント・政治家でもあった江本孟紀が出したアルバム「素敵なジェラシー」で全ての楽曲アレンジを担当している。この人物はレコード会社専属のアレンジャーか、或いは有名アーティストの変名活動なのだろうか、詳細は判明していない。
この音源について。
このレコードは国会図書館の新館1階にある音楽・映像資料室で聴くことができます。資料の利用には許可申請が必要です。