芸能生活25周年にあたる1992年、これを記念してかどうかはわからないが、古巣キングレコードから久々のシングルが発売された。
レコードではなく、今はなかなか見ることがなくなった8cmCDシングルで発売、木崎たかしとのデュエット曲となった。
木崎たかしは、寿司屋業との両立をしながら歌手活動をしているらしく、大衆演劇風にタチ役・女形などをこなす器用な歌い手のようだ。
2003年に開いたライブでは新曲「Dancin'」を披露してくれたものの、翌年に亡くなってしまったために、この曲が世に出ることはなかった。という訳で、これが朱里エイコの最後のシングルとなった。
ステージのあるカラオケバーでおじさんと年増なホステスが歌ってそうな雰囲気の、水っぽさ満載のザ・歌謡曲となっている。
「薬を飲んで安定している時の彼女の声は以前ほどに響かなかった。(新潮45、2004年12月号)」とはまさにこういう状態なのだろうか?狙った歌い方なのかどうかは分からないが、完全にオバサン声になってしまっているのが残念なところ。
ワーナー・パイオニアでの最後のシングルに収録された、朱里エイコ自身が作詞・作曲した「Everytime 愛」を改題してデュエットにしたものである。
「朱里エイコ★イエ・イエ レイト60's東京モッド・ガール・コレクション(2)」のライナーノーツに、「この頃の朱里は曲による出来不出来の差が大きい」とあるが、それを見事に表したような出来。といっても出来が悪いということではなく、声は全く劣化してしまっているが「お手をどうぞ」に比べて明らかに声が出ているし、むしろあちこちに往年の面影を見ることが出来る。