アニメのオープニングより
1968年4月1日からフジテレビで放映された虫プロ制作の連続テレビマンガ映画「アニマル1」から主題歌を収録したもの。アニメは近年DVD化されている。
後年の朱里エイコは、この歌を歌ったことすら覚えてなかったそうだ。
現在、ダウンロード販売されている朱里エイコの唯一の作品がこの「アニマル1の歌」である。(年現在)
シングルレコードは、たいてい薄い紙のペラジャケとスリーブに収められたドーナツ盤という形で発売されるが、この作品はアルバムと同じ厚紙で作られた"箱ジャケット"で発売された。
アニメや実写物などテレビ番組の主題歌を収録したシングル作品は、この箱ジャケットで発売された商品が多く見られ、そのほとんどが子供向けの商品になっている。
東京オリンピックで1位の表彰台に立つ渡辺長武
「アニマル1」は「週刊少年サンデー」で連載されていた川崎のぼるの漫画が原作。川崎のぼるといえば『巨人の星』でよく知られている。
アニマルの異名を持つ渡辺長武(おさむ)をモデルにした主人公が、アマチュア・レスリングでメキシコ・オリンピック(1968年10月開催)を目指すスポ根モノ。
主人公は艀(はしけ)で生活をする水上生活者で、父子家庭の長男である。港湾整備や法整備がされ、生活環境の向上で日本の風景から完全に姿を消してしまった水上生活だが、今となっては漫画ひとつ読むのに当時の日本文化のバックグラウンドへの理解が必要となってしまった。
また、少子化といわれて久しい日本だが、この漫画のような7人全員年子というのもアレな感じである。少年漫画の設定にいちいち突っ込むのは無粋だが。
水上生活についてはこちらが詳しいので参考までに。
→かつて水上生活を営んでいた人たちの生活環境とは?[はまれぽ.com]
「アニマル1」のオープニングテーマで、このシングルのほかに、日本コロムビア、東芝音楽工業、朝日ソノラマ、ビクター出版など各社からレコードやソノシートが発売された。
コロムビア版またはその系列から発売されたものは鶴間えり・コロムビアゆりかご会、東芝音楽工業から発売されたものは桂京子・東芝児童合唱団による歌唱となっている。
また、古巣のビクターから発売された製品は朱里エイコバージョンが収録されており、コーラスについては"ちびっこコーラス"という漠然とした表記がされている。
競作を売りにしているわけでもないのに、同じ曲を収録したものが同時期に多数発売されるというのは、今から考えると不思議な現象である。
このような人気作品の過剰な競作が行われていた背景には、1970年に全面改正される以前の著作権法の問題があった。また、1つのレコード会社がオリジナルの独占使用を目的としてアニメソングの原盤製作を行っていなかった、ということにも起因する。
このアニマル1に関しては、アニメの放送をしていたフジテレビ系のフジ音楽出版(現・フジパシフィック音楽出版)が著作権者となっている。
朱里エイコの作品のうち、この曲だけがダウンロード販売されているのはこういうわけである。
TVで放送されたオープニングの歌唱は、フルバージョンであるシングルの1番と3番が使われており、2番がカットされている。
更に聴き比べてみると、イントロから早くも演奏の違いが発見できる。ボーカル・トラックは同じものを使用しているようだが、そもそも演奏者が異なるのか、異なるテイクを使用しているのかは判らない。
TVアニメの中でも、特にソノシート関連について詳しく研究をされている方のサイトをここに紹介する。
→耳を澄ませば (※「アニマル1」の記事は【データベース.2】の中にあります。)主人公の一番下の妹であるナナコという女の子のテーマソングかつエンディングテーマ。末っ子の小さな女の子のニックネームが“おふくろさん”という面白い歌詞に行進曲のような元気な曲調で、特に葉村エツコの抜群な歌唱が特徴。
「アニマル1の歌」と同様、ビクター製品の表記によるとコーラスはみすず児童合唱団となっている。
コロムビア版は額田和代(後の可愛和美、故・可愛かずみとは別人)とコロムビアゆりかご会による歌唱である。
この音源について。
シングル「アニマル1の歌/ナナコの歌」とこの音源を収録しているCD「朱里エイコ★イエ・イエ レイト60's東京モッド・ガール・コレクション(2)」は国会図書館の新館1階にある音楽・映像資料室で聴くことができます。資料の利用には許可申請が必要です。CDは廃盤になっていますが、AmazonやYahoo!オークションなどで比較的簡単に入手できます。