本作はペドロ&カプリシャスとのカップリング3作目である。8トラとカセットのみのテープ企画で、リプリーズでもアトランティックでもなくパイオニア・レーベルで発売された。
全て洋楽カバーで構成されたもので、アポロン独自の企画なのか、「雪が降る」「シング」「やさしく歌って」あたりはワーナー・パイオニアらしくない異色の選曲。ペドロ&カプリシャスのものに関しても、落ち着いた楽曲ばかりになっている。
ペドロ&カプリシャスの楽曲は、高橋まり(現・高橋真梨子)を新ボーカルに迎えてから発売されたアルバム「LOVE SOUND SPECIAL」「華麗なるニューポップスの世界」「ONCE AGAIN」「POPULAR RENASCENCE」からのチョイス。特に「ONCE AGAIN」に収録された曲が多めに収録されている。
「POPULAR RENASCENCE」のジャケット中央ですごい顔色で描かれている佐渡岩男のウィンクから目が離せない。
Irving Louis Burgie(Lord Burgessとしてよく知られる)が作り、1956年にHarry Belafonteが歌って大ヒットしたカリプソの名曲。
Harry Belafonteは、この曲の他に「Day-O(邦題:バナナ・ボート・ソング)」「Matilda」「Coconut Woman」などが代表曲で、朱里エイコも歌った「Danny Boy」や「John Henry」も有名。
タイトルや歌詞中のJamaica、Kingstonというキーワード辺りのためかレゲエといわれる場合もあるが、レゲエは1960年代終わり頃にジャマイカのキングストンで発祥したものである。
世界のポップス界を代表する45人が歌いつなげる「We Are The World」は、Quincy Jonesのプロデュースで作詞・作曲をMichael JacksonとLionel Richieが担当し、1985年に発売された。アメリカだけで750万枚を売り上げ、関連商品を合わせた全ての収益金が寄付された。
これは「USA for Africa」というアフリカの飢餓救済チャリティーのために作られたもので、Harry Belrafonteが構想したプロジェクトである。
前年イギリスで行われた同様のプロジェクトに触発されて実現したもので、この時はBand Aidというユニット名で「Do They Know It's Christmas?」という曲をヒットさせている。
高橋まり(現・高橋真梨子)のボーカルを新たに録り直し、アルバム「LOVE SOUND SPECIAL」で初めて収録された。オケは既存のものを使っていると思われる。エンディングの激しいファズギターがかっこいい。
好みの問題はあるだろうが、朱里エイコ、前野曜子、髙橋真梨子、松平直子(3代目ボーカル)それぞれのバージョンに魅力がある。
関係ないが、ノエビア化粧品のCMで使われた世良公則のハードロックなカバーも格好いい。
1967年にScott McKenzieが歌って大ヒットした曲で、正式なタイトルは「San Francisco (Be Sure To Wear Flowers In Your Hair)」。
"ラヴ&ピース"を標榜し、サンフランシスコから始まったフラワームーブメントとヒッピー文化を歌ったのもの。これらはロックと密接に結びついて、1969年の伝説的なロック・フェスティバル「Woodstock Music and Art Festival」をピークに1970年代始めまで続いた。
作詞・作曲のJohn PhillipsとScott McKenzieは同じバンドに所属したこともある幼馴染の関係。John Phillipsは1965年に夫婦で作った「California Dreamin'(邦題:夢のカリフォルニア)」が大ヒット、所属したThe Mamas & the Papasのデビューシングルにして代表曲である。
1965年発売のThe Beatlesのアルバム「HELP!(邦題:4人はアイドル)」に収録されたもので、Paul McCartneyが作った名曲。
イギリスではシングル・カットされていないが、アメリカでCapitol Recordsから発売されたアルバム「HELP!」にはこの曲が収録されていなかったため、アメリカではシングル盤が発売されてビルボードでは3週連続1位という大ヒットになっている。
日本では「Act Naturally」をA面に収録したシングルと、4曲入りのシングルが発売されている。
The Beatlesが1965年に発売したアルバム「Rubber Soul」に収録されている曲で、クレジットはLennon-McCartney(日本ではレノン=マッカートニー)だが、Paul McCartneyが作った曲。
この曲は数多くあるビートルズの楽曲群の中で、歌詞にフランス語が使われた唯一の曲である。
イギリス・アメリカではシングルでは発売されていないが、この曲を収録した4曲入りシングルはイギリスと日本で発売され、日本では単曲としてヒットした。
割と淡々と歌われるオリジナルに対して、高橋まりは"ため"まくった歌い方でかなりロマンティックな感じで歌っている。
死刑執行前夜の囚人が最後に見た故郷の夢を歌ったもの。
1965年にJohnny Darrellが初めてレコードで歌った。Claude Putmanの作で、Sheb Wooleyとの共作とするものもある。
ヒットしたのは1966年にTom Jonesがカバーしたもの。ほかにJoan Baezのカバーもヒットしている。たいていの場合、目が覚めたら刑務所だったという夢オチを歌った3番の歌詞は省略されている。
1969年に森山良子が山上路夫の訳詞によって日本で初めてこの作品を歌った。歌詞は男と女を入れ替え、単なる牧歌的な叙情歌としている。後に森昌子やキャンディーズもカバーした。
収録曲順について。
※8トラ版の収録構成は色分けで順に1ch・2ch・3ch・4ch、カセットテープ版は片面それぞれ8曲(黄色+オレンジ色)とご判断下さい。