渡辺宙明日活映画音楽大全

詳細データ

型番: R-1720800MT~R-1720807MT, 3SCD0029(BOX)
発売日: 2017/4/17(2017/3/4 先行発売)
価格: ¥15,000円(税抜)
発売元: スリーシェルズ
作曲･監修: 渡辺宙明
解説: 小林淳
企画･構成: 西耕一(スリーシェルズ)
マスタリング: 仁木高史(スリーシェルズ)
デザイン: 田代亜弓
協力: 日活株式会社、宇都宮弘之
原盤: 日活株式会社

解説

2015年に発売された傑作選

株式会社スリーシェルズが日活から原盤提供を受けて2002年から行っているという、日活旧作映画約1,000作品4万トラックに及ぶ音楽原盤のデジタル化･アーカイブ事業の中で発売された作品である。

先行して2015年には、渡辺宙明の卒寿記念として｢渡辺宙明日活映画音楽傑作選｣が発売されており、本作はその後に発見された発掘音源を加えた完全版となる。現存するOKテイクを全て網羅したCD8枚組にもなる大全第1号である。

渡辺宙明(ちゅうめい、本名･みちあき)は、90歳(2017年現在)を過ぎて現在も現役という作曲家。作曲を團伊玖磨と諸井三郎、ジャズ理論を渡辺貞夫に師事した。新東宝や日活を経て、1972年に｢人造人間キカイダー｣｢マジンガーZ｣の音楽を担当したのを契機として特撮モノやアニメの劇伴音楽を手がけるようになり、特に｢秘密戦隊ゴレンジャー｣｢宇宙刑事ギャバン｣がよく知られている。また、作曲家、編曲家、音楽プロデューサーとして活躍する渡辺俊幸は彼の子息である。

――どの音楽も一生懸命作りました。一切手抜きはありません。

という言葉が印象的。

ここで発掘された田辺エイ子の歌唱は、｢歌う雑誌 KODAMA NO.26｣に収録される｢シンデレラ｣(1962年4月)からシングル｢交通戦争はイヤ／星はぼくらの仲間｣(1963年10月)までの間を埋める大変貴重な音源となった(1963年4月17日公開)。

曲目紹介 Disc1第1集(素ッ裸の年令, 香港秘令０号, 東京のお転婆娘)▼

M-1-2 日活マーク
M-2-2
M-4
M-5
M-6-3
M-7A 故郷の空(アレンジ)
M-7-2
M-8
M-10-2
DB-C-1
M-10A
DB-D-2
M-10B
M-12-T
M-13
M-14
M-15
M-16
M-16A
M-17
M-18
M-19-2
M-20
M-1-1 日活マーク～
M-2-1
M-2A-1
M-3-1
M-4A-1
M-5-1
M-6-1
M-7-1
M-8-1
M-9-1
M-10-1
M-11-1
M-13-1
M-14-1
M-15-1
M-16-1
M-17-1
M-18-1
M-19-1
M-20-1
M-21-1
M-22-1
M-1-1 日活マーク
M-2-1
M-4-1
M-5-1
M-6-1
M-7-1
M-8-1
M-9-1
M-10-1
RM-10-1
M-11-1
M-12-1
M-13-1
M-14-1
M-16-1
M-16A-1
M-17-1
M-17A-1
M-18-1
RM-18-2
M-19-1
M-20-1
M-21-1
M-22-1
M-23-1
M-24-1
M-24A-1
M-25-2

香港秘令0号
東京のお転婆娘

曲目紹介 Disc2第2集(花の才月, 太陽のように明るく)▼

M-1
M-2
M-3
M-5
M-7
M-8-2
M-9
M-10
M-11
M-12
M-13
M-14
RM-16
M-17
M-18
M-19
M-19A
M-21-2
RM-21
M-23
M-24
RM-26
M-27
M-1-1
M-2-2
M-3-1
M-4-1
M-5-1
M-6-1
M-7-1
M-8-1
M-9-1
M-10-1
M-14-1
M-15-1
M-16-1
M-17-1
M-18-1
M-19-1
M-20-1
M-21-1
M-22-1
M-23-1
M-24-1
M-26-1
M-28-2

曲目紹介 Disc3第3集(泣くんじゃないぜ, 若いふたり)▼

M-1-2頭日活マーク
M-2-2
M-3
M-4
M-5 泣くんじゃないぜ

作曲
渡久地政信

編曲
渡辺宙明
M-6
M-7
M-8
M-9
M-10 泣くんじゃないぜ

作曲
渡久地政信

編曲
渡辺宙明
M-11
M-12
M-13
M-14
M-15
M-16
M-17
M-18
M-19
M-20-1
M-20-2
M-20-3 泣くんじゃないぜ

作曲
渡久地政信

編曲
渡辺宙明
M-1 日活マーク
M-4
M-5
M-6
M-7
M-8
M-10
M-11
M-13
M-14
M-15
M-16
M-17
M-18
M-19
M-20
PS-3
PS-15
PS-30
PS-53
PS-80

曲目紹介 Disc4第4集(十代の河, サムライの子)▼

M-1 日活マーク～
M-3
M-4
M-5
M-6
M-7
M-8
M-9
M-10
M-11
M-11A
M-12
M-13
M-14A きよしこの夜

編曲
渡辺宙明
M-15
M-16
M-17-1
M-17-2
M-17-3
M-19-3
M-1-1 日活マーク～
M-2-1
M-3-1
M-4-1
M-5-2
M-6-1
M-7-1
M-7A-1
M-7B-1
M-7C-1
M-8-1
M-9-1
M-10-1
M-11-1
M-12-1
M-13-1
M-14-1
予告･ラスト-1

曲目紹介 Disc5第5集(どん底だって平ちゃらさ, 川っ風野郎たち)▼

M-1-1 日活マーク
M-2-2 東京の空の下
｢どん底だって平ちゃらさ｣より神山敬史

作詞
松本栄

作曲
渡辺宙明
M-3-1
M-4-1
M-5-1
M-6-1
M-7-1
M-8-1
M-9-1
M-10-1
M-11-1
M-12-1
M-13-1
M-15-1
M-16-1
M-17-1
M-18-1
M-19-1
M-20-2
M-20-4
M-21-1
M-22-2 東京の空の下
｢どん底だって平ちゃらさ｣より神山敬史

作詞
松本栄

作曲
渡辺宙明
M-1-1 日活マーク
M-2-2
M-3-1
M-4-2
M-5-1
M-6-1
M-7-1
M-8-1 川っ風野郎たち
｢川っ風野郎たち｣より田辺エイ子

作詞
滝田順

作曲
渡辺宙明

原作(現在絶版)と映画脚本

全体的に悲哀に満ちたリリカルな雰囲気の楽曲群の中で、意図的だろうか、この田辺エイ子の歌う挿入歌だけが打って変わって明るい異色の作品になっている。

ツイストやロカビリー、またはポール･アンカやニール･セダカが歌ったようなアイドル･ポップスのような陽気な雰囲気の作品で、驚いたことに全て英語で歌われている。前年に吹き込んだ全英語詞の｢シンデレラ｣が抜擢のきっかけにでもなったのだろうか？

相変わらず若いのに安定した野太い声をしており、後年のパンチ唱法のような部分が散見されるがまだまだ未完成。弘田三枝子の歌い方を真似したようなガナりと言った感じで、却って新鮮に感じられる。

｢川っ風野郎たち｣は、香山美子(こうやまよしこ)による｢あり子の記｣が原作で、浦安の境川を舞台に山内賢･和泉雅子･松原智恵子をメインに据えた青春劇である。劇団民藝による製作で、監督は｢風立ちぬ(1976年)｣｢星の牧場(1987年)｣の若杉光夫。

タイトルは三島由紀夫主演の｢からっ風野郎｣をもじったものだろうか、脚本の段階では｢川にさす潮～あり子の記｣というタイトルだったようだ。

香山美子は児童文学作家、絵本作家、詩人。この｢あり子の記｣は複数の賞を受賞した彼女の出世作になる。他には｢げんこつやまのたぬきさん｣｢おべんとうばこのうた｣｢いとまきのうた｣などの童謡がよく知られている。
M-8A-1
M-9-1
M-10-1
M-11-1
M-12-2
M-13-1
PS-33-3 川っ風野郎たち
｢川っ風野郎たち｣より田辺エイ子

作詞
滝田順

作曲
渡辺宙明

M-8-1と比べてほぼ同一だが、若干テンポが遅くなっている。間奏など楽器編成を変えたバージョンで、エンディングが少し異なる。

曲名のPSというのはプレスコ(プレスコアリングの略)で、映画の撮影前に先行して収録されたもののこと。
PS-38-1 川っ風野郎たち
｢川っ風野郎たち｣より田辺エイ子

作詞
滝田順

作曲
渡辺宙明

PS-33-3より更にテンポがゆっくりとしており、伴奏はピアノのみ。パイロット版といった感じの、50秒ほどのショート･バージョンである。